熊本地震から3週間 いまも続く水不足と、お風呂を支える人たちの動き

令和8年熊本地震で被災されたすべての皆さまに、心よりお見舞いを申し上げます。大切なご家族やお住まいを失われた方、いまも避難所で夜を過ごしておられる方のことを思うと、簡単に言葉にできるものではありません。
7月28日の発生から3週間あまりが経ちました。それでも被災地では、水が出ないという一点が、暮らしのあらゆる場面をいまなお苦しくしています。
断層に沿って壊れた水道管 復旧が長引く理由
地震は7月28日16時27分ごろに発生し、宇城市と氷川町で最大震度7を観測しました。マグニチュードは7.1と推定されています。
断水の規模は、時間とともに少しずつ小さくなってきました。
- 8月1日時点:県内10市町で約7万2千戸が断水、避難者は9,228人
- 8月15日時点:宇城市・八代市・氷川町を中心に約2万6,450戸が断水、避難所には3,205人
数字だけを見れば、確かに復旧は進んでいます。ただ、報道では断層に沿って主要な水道管が壊れており、それが復旧の長期化につながっていると伝えられています。政府は8月末までの断水解消という方針を示していますが、被災地からは「本当にその通りにいくのか」という戸惑いの声も上がっているようです。
猛暑のなかでの断水です。飲み水を節約し、汗を流すこともできない日々が、1日、また1日と積み重なっていきます。
「清拭だけ」で過ごす方へ、訪問入浴車が向かった
その水不足のなかで、いま特に置き去りになりやすいのが、ご自身では動きにくい要介護の方々です。
被災地の介護施設や避難所では、体を拭くだけで、湯船につかれていない方が少なくないと伝えられています。3週間という時間の長さを思うと、胸が痛みます。
こうした状況を受けて、厚生労働省の要請により、日本在宅介護協会が全国介護事業者協議会と連携し、8月14日から八代市と氷川町を中心に入浴支援を始めました。
- 訪問入浴車2台と給水車1台を、八代市の特別養護老人ホームへ派遣
- 給水車は約4,000リットルを積載できるもので、海上保安庁の巡視船から水の供給を受ける体制も組まれた
- 当面のあいだ、支援活動を続ける予定
入浴は、さっぱりする、気持ちがいい、というだけのものではありません。皮膚を清潔に保つことは、肌のトラブルや床ずれを防ぐうえでも大切だとされています。介助が必要な方にとって、お風呂に入れるかどうかは体調そのものに関わってくる部分があるのだと思います。
車両を動かし、水を運び、介助にあたる。その一つひとつに、たくさんの人の手がかかっています。行政の給水だけでは届かないところに、民間の力がこうして入っていく形は、これからの災害支援でも大きな意味を持つように感じます。
病院でも、水は命に直結している
水が足りないことの重さは、医療の現場でより切実な形で表れています。
厚生労働省の集計では、断水や停電などの被害が出た医療機関は86カ所にのぼりました。県内94カ所の透析施設のうち、最大13カ所が機材の損傷などで透析を行えない状況になったとされています。
宇城市のあるクリニックでは、約140人の人工透析にあたるために毎日およそ12トンの水が必要でした。地震の直後から断水し、翌日以降は自衛隊の給水を受けながら診療を続けたものの、通常4時間の透析を3時間に短縮せざるを得なかったといいます。
八代市の総合病院では、地震発生時からエレベーターがすべて止まり、職員が階段を何度も往復しながら患者や支援物資を運んでいたと報じられました。地域医療を支える病院ほど、止まったときの影響が広く及びます。
透析を受けている方、人工呼吸器を使っている方にとって、水と電気は文字どおり命綱です。普段は当たり前に流れているものが、当たり前でなくなる。 その怖さを、あらためて突きつけられた思いがします。
一日も早い回復を願って
被災地では、いまも多くの方が不便と不安のなかで過ごしておられます。水道が戻り、電気が安定し、暮らしの土台が整うこと。そのうえで、介護や医療を必要とする方に、必要なケアが滞りなく届くこと。
1日も早くライフラインが回復し、必要な方に必要なケアができますよう、心よりお祈り申し上げます。
(広報担当)
