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のどが渇かなくても要注意。介護施設で春から気をつけたい「かくれ脱水」

春から初夏にかけては、真夏ほど暑くなくても体に負担がかかりやすい時期です。介護施設で暮らしていると、室内が快適でも、知らないうちに水分が足りなくなっていることがあります。とくに高齢者は、若い頃よりものどの渇きを感じにくくなるとされていて、「まだ大丈夫」と思っているうちに体がしんどくなることもあります。環境省は、高齢者は加齢により暑さやのどの渇きに対する感覚が鈍くなりやすいと案内しています。

「かくれ脱水」は、特別な人の話ではない

脱水というと、真夏に屋外で倒れるような場面を思い浮かべる人が多いかもしれません。けれども実際には、施設の中で静かに過ごしている日にも起こりえます。エアコンが入っていても、汗をかいていなくても、食事量が少ない日や、トイレが気になって飲むのを控えた日には、水分が足りなくなりやすいようです。

厚労省や環境省の資料では、高齢者は体の水分量が少なめで、のどの渇きに気づきにくく、暑さへの調整機能も低下しやすいとされています。さらに、熱中症患者のおよそ半数は65歳以上と案内されています。つまり、水分不足は「暑い日にだけ気をつけること」ではなく、日々の暮らしの中で少しずつ意識したいことだと思います。

こんなときは、遠慮せず職員さんに伝えたい

施設で暮らしていると、「これくらいで言わなくてもいいかな」と思ってしまうことがあります。けれども、次のような変化があるときは、早めに伝えてよいサインかもしれません。

  • なんとなくだるい
  • 食欲が落ちている
  • 口の中が乾く
  • ふらつく感じがある
  • 頭がぼんやりする
  • 尿の回数や色がいつもと違う気がする

もちろん、こうした変化には水分不足以外の理由もあります。だからこそ、自己判断で我慢するより、職員さんに「今日は少し変です」と伝えることが大事です。体調の変化を言葉にするのは、わがままではなく、自分を守るための行動です。

「トイレが気になるから飲まない」は、ありがちな落とし穴

高齢者では、夜中のトイレが気になったり、日中の排泄の回数を気にして、水分を控えてしまうことがあるとされています。厚労省の資料でも、頻尿を心配して水分を控えることが脱水のきっかけになりやすいと触れられています。

ただ、水分を減らして体調を崩してしまうと、かえってしんどさが増えることがあります。施設では、一度にたくさん飲もうとしなくても大丈夫です。お茶や水を少しずつ飲む、食事のときだけでなく間の時間にも口をうるおす、飲みにくいときは職員さんに相談する。そうした小さな工夫の方が続けやすいように感じます。

利用者さん自身が意識しやすい小さな工夫

春から初夏の水分不足を防ぐために、難しいことをする必要はありません。まずは、次のようなことから十分です。

  • のどが渇く前に、ひと口でも飲む
  • 起きたあと、食事の前後、入浴の前後に少し意識する
  • 暑い・寒いを我慢しすぎない
  • 「今日は飲みにくい」「食べにくい」を言葉にする
  • 体がしんどい日は無理をしない

環境省は、高齢者に対して「のどが渇いていなくても、こまめかつ定期的に水分・塩分を補給すること」や「部屋の環境をこまめに確認すること」を勧めています。施設では室温管理をしていても、自分の体の感じ方までは一人ひとり違います。だから、暑い、重い、だるいという感覚を我慢せず伝えることに意味があります。

まとめ

介護施設での脱水は、真夏だけの話ではありません。春から初夏のように、気温が少しずつ上がる時期こそ、「まだ平気」と思いやすく、気づきにくいぶん注意が必要です。のどが渇いていない、汗をかいていない、室内にいる。そんな日でも、水分不足は起こりえます。

大切なのは、がまんしないことです。少しでもだるい、口が乾く、飲みにくい、ふらつく。そんなときは、遠慮せず職員さんに伝えてみてください。施設での毎日を楽にする第一歩は、体の小さな変化を「言っていいこと」と思えることなのかもしれません。


(広報担当)

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