ケアマネ更新制度、廃止方針が示されました

2025年10月27日、社会保障審議会・介護保険部会で、介護支援専門員(ケアマネジャー)の「資格更新制」を廃止し、今後は“資格の更新”と切り離した「定期的な研修受講」を軸に再設計する方針が示されました。更新期に一括で研修を修了しないと資格が失効する従来方式を見直し、日常業務と学びを並走させる考え方です。
何が示されたのか
- 更新制の廃止方針:未受講=資格失効という構造をやめ、継続学習は求めつつも資格そのものとは切り離して運用する方向。
- 受講形態の柔軟化:分割受講、オンライン・オンデマンド活用、所要時間の適正化など、現場に合わせた学び方を前提化。
- 体制づくりの論点:個人の“更新責任”だけでなく、事業所が「研修を受けたケアマネを配置する」など、組織として資質維持を担保する方向性が俎上に。
なぜ注目されるのか
更新期に業務・費用・移動が集中する負担感は長年の課題でした。学びの重要性を損なうことなく、「続けやすい学び」へ形を変える発想が明確に打ち出された点が今回のポイントです。結果として、利用者支援に割ける時間の平準化、離職抑制・定着促進、多職種連携の質向上といった波及効果が期待されます。
研修の在り方(イメージ)
講義偏重の配分を見直し、事例検討や多職種連携に直結するテーマを厚くする方向感が語られています。オンラインやオンデマンドを前提にすることで、地域差や事業所規模による機会格差を縮めやすくなり、繁忙期を避けた受講計画も組みやすくなります。研修は“イベント”から、実践と往復する“プロセス”へ。
「入口」の見直しも議題に
- 受験資格の拡大案:医療・心理系の国家資格を新たに受験対象へ追加する方向が検討。
- 実務経験年数の見直し案:現行より短い年数での受験を可能にする提案が提示。
- 実装の条件:入口を広げるほど、OJTやカンファレンスの質保証、先輩職種の伴走、ICT活用など“受け皿”整備が問われます。
現場に広がる期待と課題
期待
- 更新期の“山”が低くなり、業務と学びの両立がしやすくなる。
- オンライン/分割受講の標準化で、地域・勤務形態の差を超えて学びにアクセスできる。
- 多職種参入で、医療的ニーズや心理支援を含む複合課題に横断的に対応しやすくなる。
課題
- 「定期的な研修」の必須時間、カリキュラム、評価・フィードバックの設計。
- 配置基準、監査・記録、学習ログの扱いなど、制度と現場運用をつなぐ細部。
- 受講費用や代替要員の確保をどう支えるか。
- 主任ケアマネの位置づけや、実践知(事例検討・ケースカンファ)の評価方法。
これからの注目点
施行時期や経過措置、既受講分の読み替え、配置基準との接合など、当面の実務に直結する細部はこれから詰められます。法令改正のプロセス、通知・手引きの更新、都道府県の案内が整うにつれ、現場の運用像が具体化していきます。
まとめ
今回の方針提示は、超高齢社会のニーズに制度が足並みをそろえはじめる第一歩として位置づけられます。更新期に負担が集中する姿を改め、日々の実践と往復する学びへと重心を移すことで、現場の持続可能性と質の両立に近づけるか——その試金石となる動きです。分割受講やオンライン化だけでなく、内容の実効性、評価とフィードバック、多職種連携の深まり、地域差の縮減、データ連携・ICT標準化まで、生活者の安心に直結する論点は多岐にわたります。制度は器にすぎません。器が現場のリズムに合うほど、学びは蓄積され、支援の手触りは確かなものになります。反対に、形式だけが残れば、忙しさの中で実りは細っていく。いま求められているのは、「学びやすさ」と「役に立つ学び」の両立を、運用で確かにすることです。
今後の高齢化社会のニーズに制度が足並みを揃え出す第一歩としての位置づけを意識しつつ、これからのあり方に注目していきたいと思います。続報などが入り次第、要点を整理してお伝えします。
(広報担当)
